フィンランドの成人教育
フィンランドには、成人教育に携わっている組織や教育機関が1,000以上あり、全国で年間延べ160万人の成人を対象に講座が開設されている。成人教育は正規の教育機関や一般教育施設で、あるいは社員教育として受けられる。しかし、大半の成人教育は、通常の教育システムから離れた、職場や個々の継続教育機関での仕事に関連した職業訓練教育が一般的で、受講目的は、各種資格の取得、勉学の継続、あるいは余暇の利用、自己啓発など、様ざま。過去20年間に成人教育を受ける人は2倍以上に増加し、特に、職業教育受講者に増加が見られ、仕事に就いている成人では、年平均7日間成人向け職業教育を受けている。成人教育は大都市に偏る傾向はあるが、地方にもかなり普及している。
各種教育機関によって提供される一般成人教育は、国の助成金で賄われる他、地方自治体や教育機関の経営団体、及び生徒からの受講料によって補われている。職業学校、専門教育機関での成人教育の費用は、国と地方自治体が共同で負担。職業訓練は国が出資し、社員教育は主に雇用者が負担する。また全日制の成人教育を受ける人には、国の教育補助制度が各種用意されている。
■一般の学校、職業専門学校、大学
で行われる成人教育
成人向け職業教育は、ほとんどの職業専門学校で行われており、成人職業教育センター(41施設)、成人のための専門職業教育機関(57施設)でも提供される。これらの機関には職業資格と免許資格をめざすコースがあり、同時に継続教育や社員教育も行われている。受講者の多くは自己啓発のためのコースを選択するか、雇用者側が用意したコースに参加している。40,000人を越える成人が、若者と同じレベルの職業資格や免許取得のための教育を終了し、全職業資格数の20%以上が成人教育受講者により取得されている。しかし、職業教育の総授業時間数の約半分は雇用のための職業訓練にあてられている。
各分野の優れた技能を持つ職人は、試験や実技を通じて職業技能証明や資格が与えられる。試験の中で最も重要なのは、終了するのに1〜5日を要する熟練テストであり、さらに理論テストも受験しなければならない。
すべての大学には継続教育センターがあり、公開大学講座や、大学卒業生向け継続専門教育、職業訓練を提供している。公開大学講座は、成人教育センター、夏期大学、市民大学など約300の教育機関との協力のもと全国で展開。公開大学の制度では学位を取得することはできないが、公開大学の単位取得プログラムの3分の1を終了すれば、大学への入学を申請することができる。公開大学で最も人気のある分野は、教育と社会行動科学で、最近では自然科学、工学、経済などの科目が設置されている。
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■一般教養教育施設
一般教養教育施設の中では、「成人教育センター」が最も広いネットワークを持ち、280カ所ほどの施設が地方自治体によって運営されている。この施設には、語学、音楽、美術、工芸、体育などのコースがあり、大半が、総合学校、高等学校教育、公開大学講座、及び成人職業訓練コースも併設している。
「市民大学」は北欧式成人教育機関で、寄宿制、私立の場合が多い。また、後援組織によって学べる科目が異なることも特長。講座内容は多くの場合、一般教育の範疇に入り、総合学校、高等学校教育、職業訓練、公開大学講座も含まれる。期間的には、数日間の短期コースから就学期間の長い、通常1年間の基礎コースまで、幅広い選択が可能。
「学習センター」は文化協会、労働組合、政党、宗教団体などの市民団体によって宗教団体などの市民団体によって通
営されている。これらの団体では、勉強会を開設したり、各種一般的な、あるいは市民社会に関する講義や講演会を全国で開催している。
「夏期大学」は21校あり、全国120カ所あまりで成人教育の場を提供し、海外での研修コースを行ってるところもある。このような夏期大学は民間団体により運営され、地域ごとに機能している。学生からの受講料の他、国と自治体から補助金を受けている。公開大学講座や継続専門教育、及びより高度な職業教育と平行して、一般教育、高等学校教育、語学などのコースを提供する。また様ざまな文化行事を主催することも多い。
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