フィンランドは共和国。でも国民に愛されるキングとクイーンがいます。それは、セイナヨキのタンゴ・フェスティバルで毎年選ばれるタンゴ・キングとタンゴ・クイーン。哀愁のメロディ、フィンランド人の魂。ダンス・ホールで毎夜繰り広げられる中年老年カップルのタンゴ。日本の演歌に通じるメロディと歌詞。今年は7月11日から15日までのフェスティバルをフィンランド国民が注目し、期間中延べ12万5千人を越える人が会場に足を運びました。
タンゴ王、女王になると人生がすっかり変わります。週刊誌、スポーツ紙にプライベートがすべて暴露され、一夜あけると知名度ナンバー・ワンの芸能人に変わってしまうのです。今年の予選には、51の地域で1083人が挑戦。そのうちフェスティバルに出られるのはたったの10人(男女各5人)。金曜のセミ・ファイナルで男女各3人に絞られ、土曜の決勝で王と女王、王子と姫が選ばれます。それまでアマチュアやセミプロでタンゴをうたってきた挑戦者達は、セイナヨキが最終ゴールになるのです。一般からの投票とフェスティバルでの審査員達がタンゴ王家を選びます。ですから実力と人気が必要です。最近では、数度挑戦してやっと、王家の仲間入りができるようになります。
今年のドラマはセミ・ファイナルにありました。弱冠20歳のディミトリ君は過去6度挑戦し、2度も一般投票トップを得ながらも、プリンスで終わり、今年こそはと熱い注目を集めたものの、なんと金曜のセミファイナルで姿を消すことになりました。そしてディミトリ君は、敗れた瞬間に観衆の目の前で泣き崩れたのです。ちなみに今年も一般投票はトップでした。
今年も泣いたディミトリ
日本で若者が演歌を聞かなくなったように、フィンランドでもタンゴを好まない若者はいます。「タンゴなんて」などといいながらも、なぜかみなが知っているタンゴ・キングにタンゴ・クイーン。フィンランド人の魂に触れてみたい方、フィンランドに出かけた折りには、ぜひ中年向けのダンス・ホールに足を運んで下さい。生のタンゴにあわせて一心不乱に踊るカップル達。歌詞が分からなくても、心に迫るものを感じるはずです。
2001年のタンゴ・キングとクイーン、 エルッキ・ラサネンとミラ・スンナリ
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