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フィンランドの森便り10月 文・写真提供:宮澤 豊宏
ヌークシオ国立公園の紅葉・黄葉
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10月に入ると冬が間近に迫ってきているのがひとしお感じられます。朝晩の気温も全国的に氷点下を記録することが多くなり、中南部でもいよいよ初雪が降り始めます。季節柄、時雨空がしばしば出現します。闇に閉ざされた時間帯が日増しに長くなり、北の天空を中心に幻想的なオーロラを頻繁に観察できる条件が整います。
ラップランドの紅葉が終わりを告げた後、今度はフィンランド中南部が紅葉で美しく彩られる番です。フィンランド中南部では地形も割合平坦で、ラップランドの紅葉とは異なり、地面を覆っているベリー類の紅葉は脇役に回ります。それに引き換えて、カエデ、シナノキ、トネリコ、ナラ、ニレ、ハシバミなどの落葉広葉樹の混合割合が増えて、樹木層の紅葉はよりカラフルです。
鮮紅色のツタの葉と西洋ボダイジュの黄葉
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ほぼ全国的に天然分布しているナナカマドは国内各地で公園樹や街路樹としても広く利用されています。秋から冬にかけて、公園や街角ではナナカマドの実をついばむキレンジャク、ノハラツグミ、ウソ、クロウタドリ、ギンザンマシコ、アトリ、イスカの姿をよく見かけます。半ば醗酵しかけたナナカマドの実を食べてほろ酔い気分になっているキレンジャクも見受けられます。
深紅の実をつけたカンボク
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市街地ではフィンランドの自生種のほかに、当地の気候に適応した北半球原産の外来植物も加わって、色彩の幅がさらに豊かです。ヘルシンキ市内で街路樹として多用されている西洋ボダイジュの黄葉は特に目立ちます。道路の中央分離帯や法面の植込みに使われているハマナスの園芸品種の真っ赤な実、さらに黒い実をつけたアロニアや赤い実をつけたメギの真紅の葉、まるで建物の壁にカラフルな垂れ幕を下げたかのように見える鮮紅色のツタの葉がことのほか見事です。
他にもたくさんの色彩の引き立て役が見つかります。イチイの紅・黄色の実やセッコウボクの雪白色の実、西洋トチノキ、ナラ、カラマツの黄葉に加えて、姫リンゴの果実、深紅の実をつけたカンボクの赤橙色の紅葉と小さなサクランボのような可愛らしい濃紅色の実を一杯つけたズミの黄葉にしばし目を奪われます。
晩秋の野生キノコ、スッピロ・ヴァハヴェロ
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一般的に利用されている食用キノコのなかで、シーズンを締め括るのがフィンランド語でスッピロ・ヴァハヴェロと呼ばれているアンズタケ科のキノコです。このキノコは9月頃から時には初冬に至るまでフィンランド中南部の針葉樹林内の地上部に発生し、外観がミキイロウスタケによく似ています。厚く積もった落ち葉の中からこのキノコを探し出すのには少々苦労しますが、一度見つけると群生しているので一杯収穫することができます。
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