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フィンランドの森便り

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フィンランドの森便り9月                文・写真提供:宮澤 豊宏

9月に入ると秋はますます深まりを見せます。朝晩の気温も全国的に氷点下を記録することが多くなり、北部ラップランドなどでは初雪さえ降ることがあります。確かにこの時期秋雨に見舞われることもあります。逆に秋晴れの清々しい日も少なくありません。この頃から北の天空を中心に幻想的なオーロラがそろそろ観察されます。
ラップランド・ピュハトゥントゥリの秋景色
今年は例年よりも早く、すでに8月18日夜半に中西部を中心として非常に美しいオーロラが出現しました。

フィンランドの紅葉は、まずラップランド北部の山岳地帯で8月下旬頃から始まり、ラップランド全域では9月上中旬がちょうど見頃となります。紅葉のことをフィンランド語でRUSKA(ルスカ)と呼びます。自然志向の人々はこの時期になるとトレッキングやハイキングの装備を整えてほぼ毎年のようにラップランドの山岳地帯を目指します。

赤色に熟したナナカマドの果実
北欧の紅葉は一般的に白樺主体の黄葉ばかりかと思われがちですが、実際にはこの白樺の黄色のほかに、西洋ヤマナラシの黄色・橙色、カエデやナナカマドの赤色・橙色など色彩ははるかにバラエティーに富んでいます。さらにマツやトウヒなどトーンの異なる緑色の常緑針葉樹をバックに落葉樹の色彩が一層映えてきます。もともと自然条件が厳しく、地形の変化に富むラップランドの紅葉には中南部の紅葉とは一味違う独特の美しさがあります。

紅色に熟したコケモモの果実
ラップランドの束の間の秋景色を錦のように彩るのは、山岳カンバや矮性のナナカンバ、そして絨毯のように低山の斜面を覆い尽くしているコケモモ、ブルーベリー、クロマメノキ、ガンコウランなどのベリー類、ウラシマツツジやヤナギ類などの小低木や赤い実をつけるエゾゴゼンタチバナです。特に目の覚めるような紅色に紅葉し、黒紫色に熟す果実をつけるウラシマツツジ(裏縞躑躅)は、フィンランド語でライチョウのベリーと呼ばれ、まさに紅葉の主役的存在です。ラップランドの山岳斜面や原野にモザイク状に散らばっている湿原には、
ヤマドリタケ、別称ポルチーニ
カヤツリグサ科のミネハリイやスゲの仲間が小麦色や黄金色に色付き、とりわけ目立ちます。

森の民族であるフィンランド人は西欧でもキノコ好きの民族としても知られています。豊かな森林資源に恵まれているフィンランドには春先から晩秋に至るまで様々なキノコが生えています。フィンランド人は伝統的に森林や湿原においてベリー摘みとともにキノコ狩りを大いに楽しみます。9月は美味しい野生の食用キノコが森のあちこちに発生する時期です。例えば、ポルチーニ(イタリア語)やセップ(仏語)として有名なヤマドリタケ(山鳥茸)は、国内カレリア地方産の高品質な採取品が主としてイタリア向けに輸出されています。

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