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フィンランドの森便り

4月

フィンランドの森便り5月             文・写真提供:宮澤 豊宏

5月にはあっという間に春を通り越して、夏の陽気がどっと押し寄せてくる感じがします。朝晩に時々遅霜が降りることがあっても日差しは確実に眩しさを増していきます。特に中南部では日中の最高気温が20℃以上になる日が多くなってきます。
純白の絨毯を敷詰めたように
一面に開花するヤブイチゲ
湖沼地帯やバルト海沿岸地方の氷は完全に消え、北部ラップランドの一部を除いて根雪も解け去ります。

5月中旬以降になると、白樺が長い花穂を垂らすのと同時に、瑞々しい新芽を勢いよく出してきます。この新芽を摘んで乾燥させ、一種のハーブティーとして利用することもあります。また、山野や都市部の公園では周囲に甘い芳香を放つエゾノウワミズザクラが細長い穂状の白色花をたくさんつけます。
湿地や水辺に生え、
鮮黄色の花を開くリュウキンカ

中南部に分布しているイチリンソウの仲間のヤブイチゲは、疎林、林縁、やや湿った野原一面に純白の絨毯を敷詰たように大群落を作ります。この時期、森ではかわいらしいコミヤマカタバミの白花が満開となり、落葉小潅木、ジンチョウゲ科ダフネ・メゼレウムがピンク色の香りの強い花を咲かせます。湿地や水辺では、雪解けとともに遠目にも目立つリュウキンカの鮮黄色の花が見られます。

春・初夏の珍味、シャグマアミガサタケ
野生のキノコの中で一番早く採れるのが、フィンランド語でコルヴァ・シエニと呼ばれるシャグマアミガサタケ(赭熊編笠茸)です。早ければ4月頃から針葉樹林下の地面が露出している所に生えてきて、6月頃まで青空市場の野菜売場にも出回ります。このキノコはそのまま食べれば致死的な猛毒キノコにもかかわらず、細心の注意を払って適切に毒抜きをすれば美味しい食用キノコに変身します。

メーデー当日、
ピクニック気分の学生達の朝食風景
夏の到来を待ちわびる気持ちは北国・フィンランドの人々にとって特に強烈です。フィンランド語でヴァップと呼ばれるメーデーは本来5月1日が祭りの当日ですが、実際の祭典はメーデー前日の4月30日午後から始まります。大学都市では、白い帽子を被った学生が街中に繰り出し、大騒ぎをし、一晩中飲み明かします。メーデー当日の午前中には、労働団体・政党主催の伝統的な街頭行進もありますが、昼食時には一家揃ってあるいは友達同士でレストランに集まって、ヴァップ特製ランチを食べる習慣があります。屋外レストランやカフェ・テラスがオープンするのもちょうどこの頃です。

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