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フィンランド人は森と湖の国。森の男が秋になって楽しみにしているのが狩りです。とくにヘラジカ狩りは田舎の村の一大イベントとなります。今年は9月29日に解禁。解禁日には、村のハンティング小屋に男たちが集まります。鳥や小動物を撃つのは個人技となりますが、大きなヘラジカをしとめるのは地域毎の集団作業です。生態系を壊さないように地域で生息数を調査して、毎年撃ってもいいヘラジカの数が定められています。12月の解禁最後の日まで、あるいは規定数に達するまで狩りは行われます。狩りに参加するには、赤い帽子と赤い上着の着用が義務づけられています。これは、森の中で誤射を防ぐために目立つ格好をするのです。
狩りというと一大スペクタクルを想像する方が殆どでしょう。でも、狩りの基本は「待つこと」にあります。ヘラジカの場合はグループ毎に狩りの場所を決め、さらにグループ内でも森の中で獲物を待つ場所を決めます。訓練された猟犬がヘラジカを見つけると、吠えながらハンターがいる方向に追っていきます。森の男たちは犬の吠える声を聞いてどの方向でどれくらい近くに獲物がいるかを聞き分けるのです。声が近くなったところで銃を構え、姿がみえたところでズドンといきます。腕が良ければ一発でしとめますが、当たりが悪いと手負いのヘラジカは逃げていき、別の場所で待ちかまえている男に獲物をさらわれてしまうこともあります。
獲物がしとめられると無線で森に散った狩人たちが集まり、その場で内蔵処理をし、森からハンティング小屋までヘラジカを運び、解体を始めます。ナイフで足と頭を落として、皮をはいでいきます。皮はなめして飾りに。足は犬へ。頭と内蔵はしとめた男が持ち帰ります。肉は村人に分けられ、狩りのシーズンが終ったところで村人が集まりヘラジカのスープがふるまわれるのです。もちろん内蔵や頭の肉も美味、骨ではスープをとり、さらには血でパンケーキまで作り、すみずみまで食されます。現代はヘラジカ狩りが趣味になりつつありますが、元は冬を越して生き抜くための手段だったのです。その精神は今でも残されているのです。
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