
8月号(月一回2週目更新)
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毎年8月にフィンランド中部のユヴァスキュラ市で開催される「ネステ・ラリー」はかつて「千湖ラリー」と呼ばれていたように、フィンランドの美しい森と湖の土地を駆け抜けるラリー。WRC(世界ラリー選手権)の世界チャンピオンを何人も出しているフィンランドでは、地元ドライバーの凱旋レースとして多くのファンが集まります。2003年のラリーは8月7−10日に開催されました。
地元レースということで通常より多くのフィンランド人選手が出場しましたが、ユヴァスキュラで一番歓声を受けていたのが今年51歳のアリ・ヴァタネン。ヴァタネンは1981年のWRCチャンピオン。南フランスでは農業を営み、1999年からはヨーロッパ議会の議員の一員。現役ドライバーながらも政治家としても活躍しているのです。もちろんドライバーの中では長老ともいえるヴァタネン。テレビ放送でも若いドライバーのシーンではバックにテクノやヒップホップの曲がノリノリでかかるのに、ヴァタネンの映像ではフィンランドの演歌「イスケルマ」が流れるといういぶし銀です。
ユヴァスキュラのラリーでは、これまでフィンランド人の優勝記録が続いていましたが、今年はフィンランド人には不運の連続。途中までリードしていた昨年の総合チャンピオン、マルクス・グロンホルムはリタイア。トンミ・マキネンがやっと6位入賞を果たし、優勝は隣国エストニアのマルッコ・マルティンという結果。6月のギリシャ・ラリーで初優勝を決めた若手マルティンには期待が集まり、エストニア人も船で大挙ユヴァスキュラまで応援に駆けつけ、エストニアの国旗も目立ちました。
マルッコの優勝は、大勢のエストニア人ファンだけでなくマルッコ本人にももちろんうれしいもの。「この勝利は僕にとって特別で、ギリシャでの初勝利よりもうれしい。」エストニアではWRCレースがないため、隣国フィンランドでトロフィーを獲得するのが子供の頃からの大きな夢だったそうです。さて、表彰台の真中にたったマルッコ・マルティンの優勝を称えて流れるのはもちろんエストニア国歌。実は言葉もエストニアとフィンランドは元が同じの姉妹言語。エストニアでは、国歌の歌詞は違っても、なんとメロディが一緒。フィンランド人の勝利が見られなくて、大いに悔しがる地元の人々も流れる国歌がフィンランド国歌と同じメロディーで、複雑な心境だったようです。
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